残業にて1
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手のついていない見積もりが溜まってしまい、俺は会議室に篭って残業していた。周りに誰もいない方が集中できるのだ。
夜10時を回った頃、そこへ課長がやって来た。俺の様子を見に来たのだろうと思ったが、そうではなかったらしい。
「おい、メガネ。」
俺は、この課長がちょっと苦手なのだ。
「はい、なんですか、課長。」
「お前、こんな時間まで働くなよ。残りはもう明日に回せよ。」
「でも、先方にも明日提出すると言ってしまったので、片付けないといけませんから。」
「じゃあ、明日の朝からやれば済む事じゃないか。」
「でも、沢山ありますし。」
「一々口答えするな、上司の言う事を聞けないのか。なんだ、キムタクみたいな髪型しやがって。」
「髪型は…関係ないです。」
「いや、大有りだね。お前のその髪型は女みたいだ。」
2005.8/05
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