心の傷1


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「ジュンイチ、俺の部屋来てくんないかな…俺、一人でいると気が狂いそうなんだ…」
「解った!すぐ行くから待っててね!」

マサハル兄さんから、SOSコール。こんな事、初めてだ。いつも元気な兄さんが、とても気落ちしているみたいなのが、俺は凄く気になった。

部屋につく。鍵がかかってない。あまり深く考えずに入っていった。

「マサハル兄さん…」

兄さんは寝床で仰向けに寝ていた。なんか、手足をもがれた人形みたいに無気力な感じだ。俺は、兄さんの傍に添い寝してみる。

「ジュンイチ…来てくれたんだね。ありがとう。」
「そんなの、当たり前だよ。あんなに元気のない兄さん初めてだから、俺すごく心配して…」
「ごめんな…」
「兄さん、係長になったばかりだよね?」
「俺…売春したようなもんだ…」
「どういう事?」
「課長に犯られた…」
「え?」
「会議室で課長に犯されて、そのご褒美で昇進したんだよ…」
「それ、バックに入れられたって事?」
「ウン。…俺、職場で課長の顔見るのが怖い…プライドがズタズタだよ…」

そう言いながら、マサハル兄さんは、虚ろな目からポロポロ涙を流す。俺には解った。その上司が兄さんの心を壊してしまったんだ。
…俺は、その上司に嫉妬を覚えたが、一方では不謹慎にも、自分の初体験を思い出して、ケツの奥が熱くなった。


2005.8/09