心の傷2


★次の作品へ★
★前の作品へ★
★MENUへ★

無気力に涙を流し続ける兄さんが可哀想で、俺は思わず、兄さんの体を抱き締めた。そして、唇を重ねる。お互いに舌を求め合う、甘い甘いキス。俺は、キスしながら、愛しい兄さんの髪をまさぐった。俺の大切な兄さんをこんなにした奴が憎い。

「痛かったんでしょう?」
「ウン。叫びたいほど痛かった…。でも、会社だから声も出せなくて…」
「兄さん可哀想…」
「ジュンイチ、俺、どうしよう…涙が止まらなくて…」
「兄さん…俺にできる事ない?」
「わかんないよ…うっ…うっ…」

マサハル兄さんは、しゃくりあげて泣く。俺は、そんな兄さんを見ていて、胸の奥がキュンとした。

「お願い…兄さんが傷めた場所、全部、俺に触れさせて…」

兄さんは、涙を流しながら、無言で頷いた。


2005.8/09


懸命な皆さんには、既にお解りと思うが、これは、夏休みシリーズのアナザーストーリーである。己の妄想癖が収まるまで、このシリーズは続いていく予定である。
しかし、文章書いてて、本気でマサハル兄さんが可哀想になってきたよ、俺。ヤバイなあ。