NO.9 若乃花


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◆若乃花は横綱になってからというもの、何かと体を壊してばかりだ。体以外にも色んなモノを壊している様で、下らないワイドショーなんかにネタを与えていたりする。この秋場所前にも、ボチボチ引退したいとか何とか言っていたそうだ。現役の横綱が、自ら引退を口にするのはどうかと思うのは、小生だけではあるまい。
◆幸いな事に、若乃花には、素晴らしい才能がある。残念ながらそれは、相撲とはジャンルが違う。フィットネス、或いはボディビルの才能だ。若関のあの下半身を思い出して戴きたい。大きな相手にぶつかって行く時、土俵際でふんばる時、お尻や太腿、脹脛の、こんもりとした筋肉がさらに盛り上がる。体脂肪率が11%しかなく、全身筋肉標本状態の、「土俵の鉄人」と呼ばれる寺尾ですら、あんなに立派な太腿を持ってはいない。と・いう事は、寺尾の上半身+若乃花の下半身=角界最強の聖マッスル、という方程式が出来る訳だ。こんな人物がボディービルのコンテストに出たら、優勝は間違いない。しかも、四股、テッポウ、ぶつかり稽古で鍛え上げた、現役の力士である。普通の筋トレやジョギングなんかで「見せる為の体」を作っている様な、そんじょそこらのフィットネス大好き男とは格が違う。もし、若乃花が土俵を降りる時が来ても、彼には幾つかの選択肢がある。部屋を継ぐも良し、ボディビルダーになるも良し。引退後、潰しが利かないと言われる叩き上げのお相撲さんにとって、未来が明るいのは、間違いなく良い事ではないだろうか。
◆小生はアンチ二子山派である。だからと言って、二子山部屋の力士を無視する程心が狭い人間では無い。この似顔絵については単に、若乃花の顔が『がきデカ』のこまわり君に似ていると思ったまでで、わざと醜く描いたのではない。こまわり君は下品だけど、可愛い所もあるし、小生は大好きだ。その証拠に、家の本棚には、チャンピオンコミックスの『がきデカ』がズラッと並んでいる。(1999年・記)

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